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赤ヘル軍団登場 !!

12月23日

040006_1 埼玉県庁に、ヘルメットにゲバ棒を持った学生が出現!!……、といっても、それはこの映画の撮影のためだ。今日は100名以上のエキストラを動員して、集会やデモなどのシーンが撮影された。協力してくださった方々、ありがとうございます。

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東京に隣接しながら古い建物や豊かな田園風景を多く持つ埼玉県は、4年前から「埼玉ロケーションサービス」という業務を開始し、映画、テレビなどの撮影に協力している。現在使用中の県庁の本庁舎も、休日には撮影に使用できるのだ。'60~'70年代の建物の大学構内を思わすその庁舎で、主人公の遠山美枝子と重信房子が出会うシーン、赤軍派の母体となるブント(共産主義者同盟)の防衛庁襲撃、内ゲバへの出発などのシーンも撮影された。

遠山と重信は1966年、明治大学の学費値上げ反対闘争のなかで知り合う。二人とも社会人としての大学入学であり、共通の友人もいて親しくなる。日本の高度成長が頂点に達するこの時期、大学の在り方も変化しつつあり、明治大学を始め、中央大学、早稲田大学などで学費値上げに反対する学生たちの運動が起こる。そして、ベトナムでは、アメリカが現在のイラク戦争同様、戦争を拡大させつつあった。                      

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'67年10月、学生たちは、当時の佐藤首相がアメリカに協力するためにベトナムへ行くのを実力で阻止しようと、羽田近辺で警察の機動隊と激しく衝突。京都大学の山崎博昭が殺された。これによって学生運動は一気に拡大し、翌'68年10月の新宿騒乱事件へつながってゆく。そして、全国の大学で全共闘(全学共闘会議)などによる授業ボイコット、キャンパスのバリケード封鎖が起きる。そういった時代背景のなかから連合赤軍は生まれ、やがて「あさま山荘」の銃撃戦を展開する。学生運動が高揚してゆく過程を描くのが、今日の撮影だった。

04a0001 まさにその時期、若松作品のシナリオを数多く手がけた足立正生も、今日の撮影現場に姿を現した。足立は前述のように『赤軍-PFLP世界革命戦争宣言』を若松監督ともに撮影した盟友でもある。その盟友も、若松監督が長年温めてきた作品の撮影とあっては、じっとしていられなかったらしい。当時のジグザグデモなど知るよしもない若い世代のデモを眺めて、目を細めていた。

なお年内の撮影は今日で終わり、来年は1月7日前後から、撮影が再開される。

(下左、撮影に協力してくださった埼玉県新産業育成課の方たち。下右、イメージカット。

左・遠山美枝子[坂井真紀]、右・重信房子[伴杏里])

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コメント (2)

natunohi69:

私にとって若松監督と足立監督の2ショットを拝見するのは、足立監督の強制送還直後の裁判における法廷以来ですね。いやーあの時の弁護側証人としての若松監督の弁論(?)は素晴らしかった。こうして両監督のお元気そうな2ショットを見られるのは感無量です。

伊達政保:

 若松さんの『狂走情死行』で、赤ヘル軍団の防衛庁突入闘争が出てくるが、防衛庁正門に火事場の纏のごとく翻る我が中央大学昼間部自治会の旗は強烈な印象だった。だから中大を受験したといっても過言ではない。オイラその直後の入学だが、中大のロゴのCを正面に描いた、人呼んでキスマークの赤ヘルは四年間かぶり続けた誇りであった。今でも内実は変わっちゃいないがね。
 ちと細かいことを、当時、このスチールで見るような白字で大きく社学同と書いた赤ヘルを見たことはありませんでした。黒のマジックで普通に書くか、反帝全学連が健在だったので、黒マジックで全学連と書くかでした。明治や中央や青学のように大学の頭文字アルファベットのロゴを白く正面に付け、赤ヘルメットの後ろの部分に黒マジックか白字で社学同と書いていました。白字で大きく書いたのは赤軍からです。69年9月日比谷の野音で赤軍とゲバルトでぶつかった時、あのヘルメットは威圧感がありました。後に叛旗派が叛の一字を白字で大書した赤ヘルをかぶった事で、叛の字が流行りました。ジョン・レノンのコンサートでオノ・ヨーコが黒字で叛と書いた赤ヘルをかぶっていたことで、叛旗派のシンパではないかなどとの噂が飛びましたが、まあそれだけ叛の字が流行ったということで。つまらないことを書いてしまいました。悪しからず。

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2006年12月24日 12:49に投稿されたエントリーのページです。

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